エンジンレイアウトが車性能に影響を与える

車のエンジンはボンネットがある一般的な車の場合はボンネットフード下のエンジンルーム、ワンボックスカーやトラックではフロントシートの下、ミニバンなどのクラッシュゾーンを稼ぐために少しだけボンネットを持ったものはエンジンルームからダッシュボードの下あたりまで、ミッドシップやリヤエンジンモデルではキャビン後方に収められているものですが、エンジンの位置によって車の挙動が大きく変わってくるものです。
なぜならエンジンは車の中で一番重たい部品だからです。

この重たいものが車体のどこに置かれるかによって前後方向の重心が決まるため、それによって違いが出てくるのです。
一般的なフロントエンジンの場合は、前が重たいのでコーナーリングをするときのステアリングの切りはじめが悪く、ワンテンポ遅れたような形で頭が曲がりはじめます。
逆に加速時のトラクション性能を考えるエンジンの重さが後ろにかかりますので、バランスよくなりますが、FFなどフロント駆動のものは荷重が後ろに逃げてしまう形となるためトラクション性能は著しく落ちることになります。
ミッドシップレイアウトは位置的にはキャビンのすぐ後ろにエンジンが置かれることになりますが、フロントタイヤとリヤタイヤの間に重量物が置かれることによって、常に重量バランスのいい状態となります。
コーナーリングにしてもフロントに適度な荷重がかかっているため、グリップを確保しながらスムーズに回りますし、トラクション性能もほとんどのものがリヤ駆動となっているため、エンジンの重みがしっかりとリヤタイヤに乗る形となりますので、抜群のトラクション性能を持つことができます。
いわゆる理想のエンジンレイアウトといえるでしょう。

そして最後にリヤエンジン、最近ではポルシェの911シリーズぐらいしか使っていませんのであまりお目にかかることがなくなりましたが、これはリヤタイヤより後ろの部分、3ボックスセダンでいうとトランクの位置にエンジンが置かれていると思えばいいでしょう。
このレイアウトは重たいものが一番後ろにありますので、コーナーリングの回頭性はいいのですが、荷重がかかりにくいため、アンダーステア傾向が出やすくなります。
加速時のトラクションはリヤタイヤに多少加重掛かりますのでそこそこ優れたものを持っていますが、何よりも優れているのがブレーキングです。
エンジン重みが四輪にかかるので、しっかりと路面をつかみながら強大なストッピングパワーを発揮することができます。
エンジン1つの位置をとってもこれだけ車の性能に影響を与えるのです。